2014年4月28日月曜日

バンコク①

飴屋さんの岸田國士戯曲賞授賞式に出席した帰りに知り合いのプロデューサーに声をかけられ何かと思ったらタイに行かないかと誘われその時は内心心惹かれつつも5月中旬に予定している次回作品の経過報告会(試演会)があるから断ったのだけど、なぜ惹かれつつ断ったのかといえばそれは責任感からではなく周囲のスタッフに怒られそうだからという誠に情けない理由からで、ところが後日その話を聞いた当のスタッフから行けばいいじゃないですかと呆気無く許可を得られたのものだから結局返事はYESとなったのだった。

行くと決まると企画者や各支援団体やら財団との調整に追われる羽目となり六本木アートナイトの疲れも癒えぬまままたぞろ徹夜で伝票や申請書の整理作成に時間は費やされ、さあいよいよ航空券の手配だと思ったら支払遅延でクレジットカードが停まっているし慌てて劇団の貯金から金を借りHISで現金購入するといった次第であった。げにありがたきは金庫番をつとめてくれるメンバーの存在である。

企画の概要も知らぬゆえどんな機材を持参すべきかも見通せずとりあえず何となくビデオカメラやPCなどまとめつつ(これまた徹夜で)荷造りして成田に向かい機内で「アナと雪の女王」など視るも強引な展開に半ば呆れつつそしてそれ以外の時間はすっかり眠りこけつつ途中ソウルで乗り換えもあったような記憶もあるが総じて現実感を伴わぬまま気づけばバンコクはスワンナプーム空港に降り立っていたのだった。

この時期のタイは暑い暑いと聞いていたが飛行機を降りてみても若干の熱気と湿気は感じるもののそれほどではないなと安心するもタバコ吸いたさに屋外に出れば柔らかな壁に押しつぶされたようなガチの熱気にがぶり寄られなるほど空港の中はあれで冷房が効いていたのだと知る。ところでスワンナプーム空港は荒々しいコンクリートとガラスの組み合わせが現代的かつブルータルでここ最近海外に行くことが飛躍的に増え各地の空港を体験することも多い自分的にも好印象を持った。というか成田がだめすぎるんだ。

今回の宿を提供してくれる篠田千明(ex快快)が出迎えてくれそのままタクシーで彼女の家に向かう。30分ほど走ってエカマイ地区についてその晩は何をしたのかもうあまり思い出せないがとりあえずセブン-イレブンでビール買って飲んで寝た。これが2日前のことである。