2013年10月21日月曜日

vengeance

リベンジ

この一語がかつて流行語大賞を獲ったことも、流行らせた本人は今アメリカで苦労していることも既に忘れられているにもかかわらず、ひとびとの心から復讐 revenge の一語が消えることはない。なぜ我々は復讐するのか。復讐心を捨てられないのか。ときにそれが美徳ですらあるのは何故なのか。

欠損を埋めようとする心性が復讐を求める。穿たれた穴を埋め、秩序を回復する。しかし、ほんとうに回復は果たされたのだろうか。失われた対象とは違うもので、その場しのぎの埋め合わせをしているだけじゃないのか。

その「違うもの」が、慣習が強いる紛い物であることに我々はそろそろ気づくべきだ。
復讐してはいけない。