Japanese Assault Fest 13 なるイベントに行ってきた。
http://www.spiritual-beast.com/japaneseassault/fest13/
忘れないために記録だけでもしておく。冗長で上等、だらだら書く。
1
アーチ・エネミー的な何かだなーと思いながら見ていた。自分はこのバンドに独自の個性を見出しにくかったのだが、それはメロデスにそれほど詳しくないせいかもしれない。だって、他のジャンルなら、ちょっとした違いも気になったり気に入ったりと評価のきっかけになるし。
それはそうと、トップバッターのこのバンドの時点で、メタルって、やるのもそうだけど聴くのも大変だな…との思いを新たにした。演奏はとてもうまかったと思う。けどギターソロがよく聞こえなかった。自分のいた位置が悪かったのかな。
メタルの難しさ、で言えば、これを日本人がやることの難しさも我々には加わってくる。どうしてもゴッコ遊びぽく見えてしまう。なんてこと言うと、聞いてる方だってそうなわけで、安全地帯など無い。コロニアルな意識が生じると、集中するのは難しい。
何か新しい要素、試みが加わっていればいいのかもしれない。このバンドの場合、そこが弱いように思えた。これまでのメタルの歴史で明らかにされた様々な方法の組み合わせに終始しているだけに思えた。もちろん組み合わせの冴えを競うやり方もあるとは思うけど、それって相当覚悟がいる。このバンドの場合は、まだ若いし、自分たちの知るメタルの文法から逸れる覚悟で、新奇な要素の組み込みにトライしてほしいと思った。
2
ファストキルの場合、音楽性を初期スラッシュ+ハードコアという、非常に限定された領域に閉じ込めていて、しかしその覚悟は堂に入っており、それが1番目のバンドとの大きな違いだと思った。ほとんど俳句の世界だと思う。切れ味のある句を数曲次から次へと繰り出し、かっこ良く去っていった。
メタルの進化はもう終わったのだろうか、と考えると気が重い。いや、これは自分の怠慢から生じた気持で、いまでも沢山のバンドが何か新しいことにトライしているに違いないのだが、それを追いかける情熱がそれほどないので、高みに立って「メタルは終わった」とか言いたいだけなんだろう。終わったと言いたいなら、ちゃんとシーンを隈なく見てからにしないといけない。
ただ、「終わった」という前提のもと、過去のある一点に内包されていた微細な可能性を改めて現代から追求する姿勢は有りっちゃ有りで、ファストキルにはそういうところがあるかもしれない。
3
なんてこと考えてたら、凄いのが出てきた。これは極めつけだった。エアーレイド、パッと見たところまだ若いバンドなのだが、音楽性が1987年くらいで止まっている。「自分が生まれる前に存在していた音楽だけを参照する」という恐ろしく苦しそうな制約を自らに課しているのだろうか…と疑いを持つほどに。
しかし、演奏力も曲のクオリティもなかなか高く、楽しめた。楽しんでいいのか、と自問しつつ楽しんだ。NWOTHMとは、New Wave Of Traditinal Heavy Metal の略だそうだ。メタルはいま何周目に入っているのだろうか。
4
5
6
http://www.spiritual-beast.com/japaneseassault/fest13/
忘れないために記録だけでもしておく。冗長で上等、だらだら書く。
1
SERENITY IN MURDER
女性ヴォーカルを擁する平均年齢20代半ばの国産若手シンフォニック・メロディック・デス・メタル・バンド。2011年に「The First Frisson Of The World」でデビューを飾ると、僅か2年の間に台湾のフェスティヴァルにてヘッドライナーを務めた他、BLOODSHOT DAWN、DEALS DEATH、ABORTED、THE CROWN等、海外の強豪バンドとの共演を果たす。イタリアのシンフォニック・パワー・メタル・バンド、ANCIENT BARDSとのスプリット・シングルを発表するなど、国外にも目を向ける成長著しい6人が、国産メタル・シーンの未来を担う。アーチ・エネミー的な何かだなーと思いながら見ていた。自分はこのバンドに独自の個性を見出しにくかったのだが、それはメロデスにそれほど詳しくないせいかもしれない。だって、他のジャンルなら、ちょっとした違いも気になったり気に入ったりと評価のきっかけになるし。
それはそうと、トップバッターのこのバンドの時点で、メタルって、やるのもそうだけど聴くのも大変だな…との思いを新たにした。演奏はとてもうまかったと思う。けどギターソロがよく聞こえなかった。自分のいた位置が悪かったのかな。
メタルの難しさ、で言えば、これを日本人がやることの難しさも我々には加わってくる。どうしてもゴッコ遊びぽく見えてしまう。なんてこと言うと、聞いてる方だってそうなわけで、安全地帯など無い。コロニアルな意識が生じると、集中するのは難しい。
何か新しい要素、試みが加わっていればいいのかもしれない。このバンドの場合、そこが弱いように思えた。これまでのメタルの歴史で明らかにされた様々な方法の組み合わせに終始しているだけに思えた。もちろん組み合わせの冴えを競うやり方もあるとは思うけど、それって相当覚悟がいる。このバンドの場合は、まだ若いし、自分たちの知るメタルの文法から逸れる覚悟で、新奇な要素の組み込みにトライしてほしいと思った。
2
FASTKILL
日本のアンダーグラウンド・シーンにその名を轟かせるスラッシュ・メタル・バンド。HIRAXやASSASSIN、RAZORなど、数々の強豪を日本にて迎え撃って来た他、2011年には台湾でDESTRUCTIONのサポートを務めたり、東南アジア・ツアーを敢行するなど、いまやスラッシュ・メタル・シーンにおいてはアジアを代表する存在へと飛躍を遂げた5人組が、会場を狂乱の渦に巻き込む。ファストキルの場合、音楽性を初期スラッシュ+ハードコアという、非常に限定された領域に閉じ込めていて、しかしその覚悟は堂に入っており、それが1番目のバンドとの大きな違いだと思った。ほとんど俳句の世界だと思う。切れ味のある句を数曲次から次へと繰り出し、かっこ良く去っていった。
メタルの進化はもう終わったのだろうか、と考えると気が重い。いや、これは自分の怠慢から生じた気持で、いまでも沢山のバンドが何か新しいことにトライしているに違いないのだが、それを追いかける情熱がそれほどないので、高みに立って「メタルは終わった」とか言いたいだけなんだろう。終わったと言いたいなら、ちゃんとシーンを隈なく見てからにしないといけない。
ただ、「終わった」という前提のもと、過去のある一点に内包されていた微細な可能性を改めて現代から追求する姿勢は有りっちゃ有りで、ファストキルにはそういうところがあるかもしれない。
3
AIR RAID
スウェーデンはイェテボリ出身の5人組NWOTHMバンド。アンディ・ストームチャイルドとジョニー・ナイトシュレッダーの2人のギタリストを中心に2009年に結成される。幾度かのメンバー・チェンジを経て、2012年にデビューEP「Danger Ahead」とデビュー・フル・アルバム「Night Of The Axe」の2枚の作品を発表すると、翌2013年にはドイツ『Keep It True』フェスティヴァルに出演、オーディエンスを熱狂させた他、同郷のSCREAMERと共にヨーロッパ・ツアーを行なった。ツアー終了後にシンガーが脱退するも、後任にアーサー・アンダーソンを迎え、この新たな編成にて日本初上陸を果たす。なんてこと考えてたら、凄いのが出てきた。これは極めつけだった。エアーレイド、パッと見たところまだ若いバンドなのだが、音楽性が1987年くらいで止まっている。「自分が生まれる前に存在していた音楽だけを参照する」という恐ろしく苦しそうな制約を自らに課しているのだろうか…と疑いを持つほどに。
しかし、演奏力も曲のクオリティもなかなか高く、楽しめた。楽しんでいいのか、と自問しつつ楽しんだ。NWOTHMとは、New Wave Of Traditinal Heavy Metal の略だそうだ。メタルはいま何周目に入っているのだろうか。
4
SOLITUDE
ジャパニーズ・スラッシュ・シーンで名を馳せたSACRIFICEのシンガー、杉内 哲を中心に結成。デビュー作「Virtual Image」(2001年)からタイトル曲がドイツ『Heavy oder Was!?』誌のサンプラーに収録されると、2003年にはドイツのフェスティヴァル『Headbangers Open Air』に出演、BLITZKRIEG、STORMWARRIOR、PARAGON、KILLERといった海外の強豪達と共演を果たす。2009年末には待望のセカンド「Brave The Storm」を発表。元ANTHEMの"MAD"大内をドラマーに迎え、2011年にはNWOTHMの急先鋒、スウェーデンのENFORCERと日韓ツアーを行なう。同年には「Brave The Storm」のヨーロッパ・リリースも実現するなど、国内に留まらない活動を続けている。
少し疲れてきてしまったので、フロアを離れてBARスペースにあるモニタ越しに視てたので安易にコメントするわけにはいかない。ウィスキーのコーラ割りを飲みながら、「世界屠畜紀行」を読んでいた。
5
VEKTOR
自ら『プログレッシヴ・SciFi・スラッシュ・メタル』を自称するアメリカはアリゾナ州出身の4人組。2009年に「Black Future」でデビューを飾ると、アンダーグラウンドのバンドとしては大成功と呼べる8,000枚もの売上を記録、一気に当時の所属レーベルのトップ・アーティストの座に躍り出た。そして、一部メディアにおいて「2011年度最高のスラッシュ・メタル・アルバム」と絶賛されたセカンド「Outer Isolation」にて待望の日本デビューを飾る。WARBRINGERからSPEEDWOLF、EXMORTUSら、様々なバンドとのツアーを経て、2013年には初のヨーロッパ公演となるフランスの『Hellfest』に出演。そして遂に日本上陸を果たす。
今日の主目的。YOUTUBEなどから伺えていたが、実際のところほんとに演奏がうまく、CD音源をそのまま再現していた。タムをあまり使用しない、バスドラの上ががら空きのセッティングだったので、ドラムのプレイもよく見えて楽しい。ベーシストのひょうひょうとした振る舞いが印象に残った。満足しました。機会があればまたゼヒ見たい。
6
GIRLSCHOOL
1978年結成、『世界最長のキャリアを誇る全員女性のロック・バンド』としても知られるガールズ・ロック/メタルのパイオニア。男性が大多数を占める当時のNWOBHMのシーンにおいても『MOTORHEADの妹分』として高い人気を誇り、シングル、アルバムを全英チャートに送り込んだ他、1981年には『Reading Festival』の初日のヘッドライナーを務め、翌1982年1月には来日公演も行なった。NWOBHMの勢いに陰りが見えた後も、キム・マコーリフ (vo/g)、デニーズ・デュフォート (ds)を中心にラインナップを変えながら活動を継続する。2007年にオリジナル・メンバーのケリー・ジョンソンが他界、翌2008年にはロニー・ジェイムズ・ディオ、トニ−・アイオミ、レミー、"ファスト" エディ・クラーク等豪華ゲストを迎えたアルバム「Legacy」を発表してケリーを追悼した他、自らの結成30周年を祝った。そして結成35周年を迎えた2013年、マコーリフ、デュフォート、2000年に復帰したエニッド・ウィリアムズ (b/vo)の3人のオリジナル・メンバーに、ジョンソン自らが後任に推挙したジャッキー・チェンバース (g/vo)という編成にて、『Japanese Assault Fest 13』のヘッドライナーとして約32年振りとなる再来日を果たす。
そしてトリ。Vektorを見て一旦気持がリセットしかけていたのだが、せっかくなので…というカッコ悪い動機で見始める。しかしパフォーマンスは貫禄のあるもので、ずいぶん沁み入るものがあった。
これまで、出演したバンドを観ながら、メタルはもう進化しないのか、昔の要素をあれこれ集めて組み合わせるしか続けていく方法はないのか、と自問していたのだけど、そんなこと言ったら彼女たちがやっているコテコテのロックなんて、新しい要素など何もないし、それを目指しても居ない。でもかっこいい。それってなんなんだろうな、とまた考えることが加わった。