2013年12月9日月曜日

注文の夥しい料理店についての簡潔な報告についての所感 3

01 どなたもどうかお入りください。決してご遠慮はありません。

どんな人間でも舞台に立つことはできる。

02 ことに肥ったお方やお若い方は、大歓迎いたします。    

ただ、未経験とはいえ、なにかしら特徴があったほうがいいのは確か。

03 当軒は注文の多い料理店ですからどうかそこはご承知ください。

素人に熟練技術を強いるような無茶はしないけど、そのかわり、
人それぞれに特有の仕方で負荷をかけることはあると思う。

04 注文はずいぶん多いでしょうがどうか一々こらえてください。

出来ないことは強制しないが、できることはなんでもやってもらいたい。

05 お客様がた、ここで髪をきちんとして、それからはきものの泥を落としてください。

私生活のこだわりを舞台に持ち込むのはやめて欲しい

06 鉄砲と弾丸をここへ置いてください。

鋭い批評意識とか要らないし、勘弁して欲しい

07 どうか帽子と外套と靴をおとりください。

先入観を捨て、自分は絵画における絵の具のようなものだと思って欲しい

08 ネクタイピン、カフスボタン、眼鏡、財布、その他金物類、 ことに尖ったものは、みんなここに置いてください

とにかく、自分が自分であることを主張しないで欲しい。
登場人物に名前はあっても、舞台上の人間に名前はないのだから。

09 壺のなかのクリームを顔や手足にすっかり塗ってください。

話すときは、ゆっくりでもいいのでハッキリと伝わりやすい口調で話すこと。

10 クリームをよく塗りましたか、耳にも塗りましたか。

周囲の動向にも気を配って。

11 料理はもうすぐできます。十五分とお待たせはいたしません。
 すぐたべられます。 早くあなたの頭に瓶の中の香水をよく振りかけてください。    

ここまでをクリアできたら、もうだいぶ自分は消えてるだろうし、だいたいOKだけど、
せっかくなので、自分に与えられたタスクを如何に上手く遂行するか、
そんな欲を少しくらいなら持ってもいいと思う。


12 いろいろ注文が多くてうるさかったでしょう。お気の毒でした。もうこれだけです。
  どうかからだ中に、壺の中の塩をたくさんよくもみ込んでください。 

体をほぐして、楽に。



13 いや、わざわざご苦労さまです。大へん結構にできました。 
  さあさあおなかにおはいりください。 

そんな感じで、ひとつよろしくお願いいたします。


リミニプロトコルやガネーシャ〜を先週観た(観てしまった)ことは、影響していると思う。かといって記憶を払拭するのは無理だし、ならば自分なりの返歌として小気味よく歌おうと思う。パクリは(珍しく)やってないので、そこは安心してください。あ、ただ、2、3箇所似てるところあるかな…いや、もちろん、観る前から決めてたことなんだけど!